法科大学院に将来性はあるのか?厳しい現状と志願者減少の理由

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法科大学院の現状ははかばかしいとは言えません。法科大学院への志願者数も法科大学院の数自体も、ともに減少しています。最も多い時に全国で74校の法科大学院がありましたが、そのうち、2018年度までに35校が学生募集を停止、または閉鎖となっています。横浜国立大学や、立教大学、青山学院大学といった有名私立大学も撤退を決めました。もはや法科大学院に存在意義はないのでしょうか。

学生が集まらない法科大学院

多くの法科大学院が学生の募集を停止したり閉鎖を決めたりしたのは、学生が集まらないことが大きな理由です。2004年に創設された法科大学院は、2005年では志願者が41,756人、入学者が5,544人もいました。それが2018年度は、志願者が8,058人、入学者は1,621人までに減少し、志願者は当初の1/5、入学者は1/3を切るまでになっているのです。まだ存続している法科大学院も学生数の減少が深刻で、定員割れも目立ちます。

低い司法試験合格率

なぜ法科大学院の人気がここまで下がったのかというと、それは法科大学院を修了しても司法試験に合格できるとは限らないからです。2006年、初年度に法科大学院に入学した修了生の司法試験合格率は、わずか48.3%にとどまりました。日弁連は合格率70%を想定していましたがそれを大幅に下回った形です。

その後も合格率は下がり続け、2018年に実施された司法試験では、法科大学院を修了した人の司法試験合格率が24.7%にまで下がっています。なかには、合格率が一桁や合格者数が0人の大学院もあります。法科大学院の濫立により、法曹の質が下がるのを恐れた法務省が合格者数を抑えたとも言われているようです。

予備試験制度の導入

また、2011年に、法科大学院に進学しなくても司法試験が受験できる予備試験の制度が導入された影響も大きいです。これまでは、大学の法学部と法科大学院で少なくとも6年間学ぶ必要がありました。司法修習の期間も入れると、大学入学から法曹資格を取得するまで8年弱かかることになります。

一方、予備試験は受験資格が不問で、その気があれば高校生でも受験可能です。長い期間を経ても司法試験に合格できるとは限らない法科大学院進学のルートより、大学入学後、すぐに予備試験を目指し、合格できなかった時に法科大学院を選ぶという学生が増えています。

法科大学院生も司法試験が受験できるようになる

国は、この状況を改善しようと新たな法律を可決しました。2020年から法曹コースが創設され、法科大学院に籍を置いている人も司法試験が受けられるようになります。大学入学から最短6年で法曹資格が得られることになるのです。

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